
“健康な牛を育てること”にこだわる
「有限会社 牧家」は、北海道伊達市に位置する酪農企業です。伊達市は北海道の中でも特に温暖な気候の地域で、冬でも比較的降雪量が少なく、北海道内では過ごしやすい土地柄として知られています。この近辺には、活火山として有名な「有珠山」や「昭和新山」、そして2008年の主要国首脳会議(サミット)開催地となった「洞爺湖」にも程近い、自然に恵まれた地域です。
この地で牧場を運営し、乳製品の製造などを行う同社の最大のこだわりは、“健康な牛を育てること”なのだそうです。
牧家では、天候の悪い日を除いて、一年中“放牧飼育”を行っています。牛たちは夏も冬も元気に「50ヘクタール」もの放牧地を歩きまわり、のびのびと健康的に暮らしているのです。牛たちは食に関しては大変なグルメで、本当においしい草の味を知っているので、常に上質の草を求めて元気に歩き回るのだといいます。
こうして好きなだけ牧草を食べながら、牧草地と搾乳施設までの往復だけでも1日に数万歩も歩くという、とても健康的な生活を送っているのです。歩くことによって自然に蹄が削られ、雨という天然のシャワーを浴びることで、きれいな体と脚になるのだそうです。
一見、自由奔放に育っているように見える牛ですが、放牧には自由行動もあれば団体行動もあり、実は人間の世界と同様に、牛たちの社会でもお付き合いはとても重要なのです。しっかりと個性を活かしながら、厳しくしつけたり優しく接したりして、人間と一緒に行動をし、コミュニケーションのできる牛に育てていらっしゃるのだそうです。牛たちも色々と大変なんですね。
無添加でシンプルなミルクの味わい
牧家が製造するアイスクリームは、自らの牧場で摂れた牛乳とともに、西胆振管内の酪農家さんから毎日届けられている牛乳も使用しています。地域ぐるみで良い生乳を作るための取り組みを行なっており、牛の飼育方法などはほぼ同じ方法で行われているのだそうです。
そんな原料から作られる『ふぅ:いず』ブランドのアイスクリームは、とにかく「牛乳の味がしておいしい!」と思わせてくれるほど、牛乳の風味が活かされています。
“アイスクリームの味は牛乳の品質が左右する”と言っても過言ではありませんが、それでも牛乳の味が素直に感じられるアイスクリームというのは少ないものです。余計な甘さやしつこさが気になってしまうことも多く、牛乳の軽やかさ、爽やかさが感じられるアイスは貴重な存在なのかもしれません。クリーミーなタイプが苦手な方には、ぜひ味わっていただきたいですね。
また、アイスクリームの製造を担当している小形さんから、アイスクリーム作りのこだわりについてお話を伺っていますので、そのまま掲載させていただきます。
牧家のアイスクリーム作りのポリシー
手作りでアイスクリームを作ったことがある人は知っています。ミルクをベースにして作るアイスクリームは、お店で売っているようなクリーミーで濃厚なものにはなりません。それがミルクをベースにしてつくるアイスクリーム本来の食感。作り方が悪いんじゃないんです。
じゃぁ、何で売っているアイスクリームはあんなにクリーミーで濃いのか? それは乳脂肪分たっぷりの生クリームがベースになっていたり、食感をなめらかにする安定剤や乳化剤が入っていたりするからです。アイスクリームって、もともとミルクと生クリームと砂糖・卵黄を混ぜて冷やし固める素朴なものです。材料が良ければそれだけで十分においしい。添加物もいりません。
せっかく搾りたての新鮮なミルクが手に入るのですから、牧家はお客さまにそのミルクの風味を味わっていただきたくて、ミルクたっぷりのシンプルなアイスクリームを作りました。“新鮮な素材を味わえる”ということも贅沢のひとつです。ヘビーな幸せもいいけれど、爽やかでほんのりした幸せもいいなぁと思います。
市販されているクリーミーなアイスクリームに慣れている方には、牧家のアイスは、最初はやや物足りなさを感じるかもしれません。しかし、食べ慣れていくほどに、その軽やかな味わいに幸せを感じるようになると思います。ミルク本来のおいしさを堪能できる、“濃厚”というよりは“サッパリとした”味わいで、脂肪分も低めですのでカロリーが気になる方にもオススメできるアイスクリームだと言えるでしょう。
「メイプルシュガー」の上質な甘味
また、牧家のアイスクリームのもう一つの大きな特徴は、ミルクの風味をさらに引き立てるため、全フレーバーに「メイプルシュガー」を使用している点でしょう。
■「メイプルシュガー」とは?
メイプルシュガーは、メイプルの樹液をたっぷりの時間をかけて高温で煮詰められた「メイプルシロップ」から生み出されます。
メイプルの樹液は、冬の寒さに備えるために、夏の間に樹が内部に貯えた澱粉が糖分に変わり、土壌から豊富なミネラルと一緒に吸い上げた水分とともに、樹液となって自然に流れ出たものです。自然の甘みを封印した甘い水で、“樹木からあふれる命の水”だと言えるでしょう。
1リットルのメイプルシロップを作るためには、この樹液が40リットルも必要で、とても貴重なものです。そのメイプルシロップを撹拌し、バターのようなスプレッド状にしたものをさらに煮詰めて、ようやくメイプルシュガーになるのです。
こうして生まれたメイプルシュガーは、カルシウムやカリウムなどのミネラルが豊富で、他の自然甘味料に比べても低カロリーなのが特徴です。
小形さんの一番のお気に入りのアイスクリームも「メイプルバニラ」だそうです。砂糖の代わりにメイプルシュガーを使用することで、牛乳の甘み・コク・香りが引き立ち、上品な味わいに仕上がっているのです。ほとんどのアイスクリームは砂糖を使用しているため、ぜひ砂糖とメイプルシュガーの違いを味わって欲しいとのことでした。
牛の乳頭を拭く、徹底した品質管理
また、牧家のアイスクリームを食べる際には、「冷蔵庫から出したばかりの状態ではカチカチに固くなっているため、ほんの少し室温に置いて、ふちが溶けてきた頃に召しあがってみてください」とのことです。ただし、安定剤を使用していませんので、長めに室温に置き過ぎるとあっという間に溶けてしまうので注意しましょう。
なお、牧家は生乳づくりの段階から徹底的な衛生管理をしており、安全性にも細やかな気配りをしています。一頭一頭、牛の乳頭を丹念に拭くことで雑菌の混入を大幅に減らしているのだというから驚きですね。もちろん、施設の清掃はもちろんのこと、搾乳機器や牛乳ラインについても、毎日、徹底的に細かい部分まで洗浄を行っているそうですので、安心してお召し上がりいただけることでしょう。
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